シラキトビナナフシの幼虫
シラキトビナナフシは、不完全変態という形態をとる昆虫で、その一生は次のようになります。
卵⇒（孵化）⇒初令幼虫⇒（脱皮）⇒2令幼虫⇒（脱皮）⇒・・・数回・・・
⇒終令（6令）幼虫⇒（羽化）⇒成虫⇒産卵（単為生殖）⇒卵
ここでは、このサイクル中の初令幼虫から終令幼虫までの各令の特徴について紹介します。
シラキトビナナフシの初令幼虫
2008年6月1日・6月8日・6月14日に野外採集したシラキトビナナフシの初令幼虫をもとに、シラキトビナナフシの初令段階の諸特徴について記述します。
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初令幼虫の特徴
- 時期は、5月中旬前後に孵化し、5月中旬から6月上旬に見られる。遅いものは6月中旬ころ孵化する。
- 体長は、12ミリ前後、触覚は10ミリ前後。
- 体色は、薄い黄緑色。孵化してすぐの頃はクリーム色に近く、背面に薄い茶色の帯状の模様がみられる。
- 触覚には、黒い環が8個見られる。
- 複眼は、黒く見え、頭部の両横に飛び出ている。複眼の後方にある黒条は前胸の肩部にまで続いている。
- 体色が薄いため、消化管内の内容物が透けて黒っぽく見える。
- 動きは素早く、歩く早さもけっこう早い。
- 葉裏に静止していることが多く、擬態のポーズをとる。
- 腹部の各節は、縦と横が同じくらいで数珠をつなげたような感じになっている。
シラキトビナナフシの2令幼虫
2008年6月21日・7月1日・7月5日に野外採集したシラキトビナナフシの2令幼虫と飼育中の２令幼虫をもとに、シラキトビナナフシの２令段階の諸特徴について記述します。
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２令幼虫の特徴
- 時期は、6月中旬に２令に脱皮し、6月中旬から6月下旬に見ら れる。遅いものは6月下旬ころ２令に脱皮する。
- 体長は、16ミリ～18ミリくらい、触覚は1３ミリ前後。
- 体色は、薄い黄緑色。
- 触覚には、黒い環が8個見られる。
- 複眼は、黒く見え、頭部の両横に飛び出ている。複眼の後方にある黒条は前胸の肩部にまで続いている。
- 前胸には十字の溝が見られる。
- 中胸と後胸の後端両側がわずかに丸みを帯びて張り出している。（成虫の翅になる部分）
- 葉裏に静止していることが多く、擬態のポーズをとる。
- 腹部の各節は、縦に長くなってくる。
- 全体として、初令幼虫を大きさだけ一回り大きくした感じ。
シラキトビナナフシの3令幼虫
2008年6月26日・7月５日・7月６日に野外採集したシラキトビナナフシの３令幼虫と飼育中の３令幼虫をもとに、シラキトビナナフシの３令段階の諸特徴について記述します。
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３令幼虫の特徴
- 時期は、6月下旬に3令に脱皮し、6月下旬から7月上旬に見られる。遅いものは7月上旬ころ３令に脱皮する。
- 体長は、17ミリ～22ミリくらい、22ミリ前後が多い。
- 体色は、やや濃い黄緑色。
- 触覚には、黒い環が8個見られる。黒い環の間隔が広がり、節がはっきりとしてくる。
- 複眼は、成虫のように赤く（透明）見え始める。複眼の後方にある黒条は前胸の肩部はほとんど薄くなっている。
- 前胸には十字の溝が見られる。
- 後胸の後端両側の膨らみははっきりしてくる。（成虫の翅になる部分）
- 葉裏に静止していることが多く、擬態のポーズをとる。
- 背面の両側に薄い黄色の帯が見られる。
- 全体として、初令・2令幼虫を大きさだけ一回り大きくした感じ。