我家のシラキトビナナフシは、函館市郊外の丘陵地帯で発見しました。
標高は、約130m位の場所になります。
この場所は、ミズナラやコナラの多い雑木林を作っていて、下草もササなど様々な植物が生えています。ミズナラやコナラの葉や下草の上など、林内のいたるところで発見することができました。
北海道の他地域でのシラキトビナナフシの発見場所も、ほぼ同じような標高のところのようです。
シラキトビナナフシは、トビナナフシの仲間のうちでもっとも高い標高まで分布する種類であるとされています。(『ナナフシのすべて』1999.岡田正哉氏著作より)
一つの例として、長島義介氏の報文『新潟県のナナフシ目昆虫』によりますと、シラキトビナナフシはブナ林に対する依存性が強く、新潟県内では標高600m〜800m付近に棲息しているとのことです。
また、高いところでは、標高1300m付近でも分布しており、逆にブナ林が標高300m付近まで下がっている地域ではシラキトビナナフシの分布も低くなっているそうです。
様々なホームページやブログを見てみると、同じ本州でも北へ行くほど低標高で、シラキトビナナフシが見られるようになっているようです。
これは、シラキトビナナフシのエサである、ブナ科の植物(ブナ・コナラ・ミズナラ等)の分布に大きく影響しているからだと思います。特にミズナラは、寒冷な気候の土地に生えており、北海道では低標高に普通に生えています。しかし、本州の南へ向かうと高標高に生えるようになります。
結局、どの昆虫でもエサとの関係の中で住む場所が決まっているわけですから、シラキトビナナフシの場合も、エサであるミズナラやコナラ、ブナ等のある場所でなければ生活することが出来ないということになります。
シラキトビナナフシを見つけるためには、エサである樹木を見つけることが第一になります。
(2007年11月3日 記)
内容については、今後も継続していきたいと考えています。