ナナフシに関係のある用語について解説します。 |
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「ナナフシ用語集」 辞書編(50音順) |
「ナナフシ用語集」 辞書編(アルファベット順) |
あ か さ た な は ま や ら わ |
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「ナナフシ用語集」 画像編 |
翻訳ホームページ |
日本語 | 解説 | 英語 |
【 あ 】 | ||
亜基節(あきせつ) | ナナフシの肢の基部にある板状のもので、ナナフシの体の側面を覆う側板になっている。基節の基部。 | submentum |
肢(あし) | ナナフシの胸部に3対ある足(脚)のこと。 前胸・中胸・後胸にそれぞれ1対あって、前肢・中肢・後肢という。 | leg |
亜前縁脈(あぜんえんみゃく) | 記号:Sc 前縁脈と平行している翅脈。 | Sub Coastal Vein |
アポリシス(あぽりしす) | ナナフシの脱皮のときに、一番早い段階に起こる現象。旧クチクラとその下に重なっている真皮細胞が分離すること。 | apolysis |
アラタ体(あらたたい) | ナナフシの頭部にある内分泌腺で、幼若ホルモンを分泌して幼虫状態を維持する。 | corpora allata |
R脈(あーるみゃく) | 径脈(けいみゃく) 翅の先端中央まで達する翅脈。 | Radial Veins |
【 い 】 | ||
囲心腔(いしんこう) | 昆虫では、背腔(dorsal sinus)とも呼ぶ。ナナフシなどの開放血管系の昆虫の心臓を囲む体の背面の境界のはっきりしない空間。呼吸器官からきた血液がこの囲心腔に入って心門から心臓に入っていきます。 | pericardial cavity |
囲心細胞(いしん細胞) | 昆虫の囲心腔(背腔)内に索状に存在する。ナナフシでは、大動脈上に囲心腺として塊状に存在する。血液(体液)中の不要物質の代謝に関係する。 | pericardial cell |
囲心腺(いしんせん) | ナナフシに見られる、囲心細胞が塊となって集まった内分泌腺の様な器官。 | pericardial gland |
囲心嚢(いしんのう) | 心嚢ともいう。心臓の外側を包む上皮のこと。 | pericardium |
囲食膜(いしょくまく) | ナナフシの中腸にある数層の膜状の内張のようなもの。この何層もの膜で、中腸の内壁を保護する。 | peritrophic membrane |
陰茎(いんけい) | オスの交尾器。交尾のときにオスからメスの交尾器に挿入され、精液を送るのに用いられる器官のこと。 | phallus |
咽喉(いんこう) | ナナフシの頭部腹面の最後部(首の腹面)に当たる部分が硬くなったもの。その前方は、顎節につながっている。 | gula |
咽頭(いんとう) | 口腔と食道との間の膨らんだ部分。 | pharynx |
隠蔽色(いんぺいしょく) | 周囲の環境に溶け込んで、その存在を目立たなくするような体色。 | cryptic coloration |
隠蔽的擬態(いんぺいてきぎたい) | 擬態の一種で、自分の身を隠すために周囲の環境に溶け込む型。 ナナフシは、葉に化けたり、枝に化けたり、擬態の名人と言われている。 | mimesis |
【 う 】 | ||
羽化(うか) | 不完全変態のナナフシの場合は、終令幼虫から成虫になるときの脱皮のこと。 有翅種の場合、翅が生えてくる。 | emergence |
【 え 】 | ||
柄節(えせつ) | 触角の第1節。 | scape |
越年卵(えつねんらん) | 卵で越年する昆虫における越冬する卵(休眠卵)のこと。降雪地方・寒冷地方のナナフシで見られる。シラキトビナナフシの卵など。 | hibernating egg |
A脈(えーみゃく) | 臀脈(でんみゃく) 縦脈のうち、最後方にある翅脈。 | Anal Veins |
M脈(えむみゃく) | 中脈(ちゅうみゃく) 径脈の後方にある翅脈。 | Median Veins |
Sc脈(えすしーみゃく) | 亜前縁脈(あぜんえんみゃく) 前縁脈と平行する翅脈。 | Sub Coastal Vein |
【 お 】 | ||
横脈(おうみゃく) | ナナフシの翅の脈のうちで、縦脈と縦脈をつなげる脈のこと。 | cross vein |
大顎(おおあご) | ナナフシの頭の6つの節うちで前から4つ目の節にある付属肢が変化したもので、植物を噛み砕く部分のこと。 大腮(たいさい)。上腮とも言う。 | mandible |
大顎腺(おおあごせん) | ナナフシの口器の大顎基部に開口する分泌腺。 | mandibular glands |
雄(おす) | 記号:♂ ナナフシのうち精子を作るほうの個体。ナナフシでは、オスが発見されておらずにメスのみで単為生殖をするものが多い。一般に、北へ行くほどメスのみの単為生殖が多く見られる。 | male |
【 か 】 | ||
外表皮(がいひょうひ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち体の外側を覆っているのが表皮になる。この表皮は、外側の薄い外表皮と厚い原表皮に分かれる。さらに、外表皮は、外側からセメント層(cement layer)・ロウ層(wax layer)・外表皮外層(outer epicuticle)・外表皮内層(inner epicuticle)からつくられている。 | epicuticle |
開放血管系(かいほうけっかんけい) | 昆虫の動脈枝と静脈枝との間が毛細血管によって連絡していないために、 心蔵からでた血液は、動脈を通って動脈枝へ進み、いったん組織中に出て組織間の空隙を流れ、呼吸器を経て囲心腔から心臓へ帰ってくる。このような血管系のこと。閉鎖血管系に対立する。 開放循環系(open circulatoire ouvert)とも言う。 |
open blood-vascular system |
下咽頭(かいんとう) | 刺舌、側舌突起、舌状体とも呼ばれる。 ナナフシの頭部下側の大きな膜質の舌状突起。下咽頭と頭楯基部との間に口が開口し、これと下唇基部との間には唾液腺が開口する。 |
hypopharynx |
蓋帽(がいぼう) | 卵蓋の中央の一突起。種類によってない場合もある。 | capitulum |
下蓋板(かがいばん) | ナナフシのメスの生殖口を覆うもの。(メスだけに使われる言葉) 産卵管を保護している下蓋板のこと。第8〜10腹部背板と第8腹部腹板(下蓋板)によって産卵管が保護されている。 |
operculum , lavina subgenitalis subgenitalplate |
下蓋板前器(かがいばんぜんき) | ナナフシのメスの第7腹板にある器官。シラキトビナナフシでは、Y字状の小さな突起となっている。何に使われるのかは不明。これがない種類もあります。 | praeopercular organ |
額頭楯縫合線(がくとうじゅんほうごうせん) | 前頭−頭楯縫合線のこと。 | frontoclypeal suture |
角皮(かくひ) | 表皮を作っている細胞が、その外側に分泌することで生じる丈夫な膜で外骨格を構成する。クチクラ、キューティクルともいう。 | cuticule |
下唇(かしん)・下脣(かしん) | 6つの節に分かれる頭部の一番末節にある口器を作る1個の突起。小顎の後方にあり頭部の付属肢では最後方。下唇は、頭部と関節する後基板(亜基板submentum+基板mentum)と下唇の本体となる前基板prementumとからなる。また、前基板には副舌paraglossa・中舌glossa・下唇鬚がある | labium |
下唇鬚(かしんひげ) | ナナフシの下唇から生じる小突起で、3節からなる。 | labial palp |
化性(かせい) | 年に何回の世代交代を繰り返すかという性質。 | voltinism |
下皮(かひ) | 真皮(しんぴ)のこと | hypodermis |
下弁(かべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から最初の弁のこと。 | valvulae inferiores |
咬み型口器(かみがたこうき) | 咀嚼型口器ともいう。ナナフシの口の型で、大顎が発達していて植物の葉を咬みとって食べるのに適している。 | biting mouth-part |
完気門式(かんきもんしき) | 10対の気門を完全に備える型。ナナフシはこの型になる。中胸・後胸にそれぞれ1対ずつと腹部に8対の計10対あるもの。 | holopneustic type |
【 き 】 | ||
気管(きかん) | 気門から取り入れた空気を体中に運ぶための体中に張り巡らされた管。 | trachea |
気管系(きかんけい) | ナナフシは、気管と気門から成る呼吸器官の系統。 | tracheal system |
気管小枝(きかんしょうし) | 毛細気管ともいう。ナナフシの気管の末端のきわめて細い部分のこと。 | tracheole |
擬死(ぎし) | ナナフシが、触られたりすると、手足を縮めて体に密着させたり、手足をつっぱったりして、死んだような形(ふり)をすること。 たいてい、しばらく放置すると手足など体の末端が動き始め、やがて手足を伸ばして移動を始める。 |
death mimicry |
基節(きせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、最も基部の節。 胸部の腹側にある基節孔という穴に入っている。 | mentum , coxa |
基節孔(きせつこう) | 胸部の腹側にある6本の肢の基節が入り込む穴。 | |
擬態(ぎたい) | ナナフシが、周辺の環境をまねること。木の葉や木の枝に化ける。 実際、野外でナナフシを探すとなかなか見つけることが難しい。 |
mimicry , mimesis |
キチン(きちん) | ナナフシの体表面を構成するもの。キチンが硬くなって(キチン化)外骨格を形作る。 | chitin |
基底膜(きていまく) | 皮膚を作る3層(表皮・真皮・基底膜)のうち、最も内側にある層。皮膚の構造を支える。 | basement membrane |
ギナンドロモルフ(ぎなんどろもるふ) | オスとメスが異なるナナフシで、一つの個体にオスとメスの組織が入り混じっている個体のこと。雌雄モザイク・雌雄同体とも言う。 | gynandromorphism , mosaic |
気門(きもん) | ナナフシの呼吸器系の一部で、空気が出入りする体表部での開口部。中胸に1対・後胸に1対・腹部に8対の計10対ある。 | stigma , spiracle |
距(きょ) | 昆虫の皮膚が外側に突き出た構造のうちで基部が可動のもの。可動でないものはトゲという。 | |
胸部(きょうぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の中間部分。各節に1対の肢と、中胸・後胸には、それぞれ1対の翅がある。運動の中心部分。 | thorax |
【 く 】 | ||
クチクラ(くちくら) | 表皮を作っている細胞が、その外側に分泌することで生じる丈夫な膜で外骨格を構成する。角皮、キューティクルともいう。 | cuticle |
【 け 】 | ||
脛節(けいせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、基部から4つ目の節。 末端に突起(距:きょ)を持つものもいる。 | tibia |
脛部(けいぶ) | 首にあたる部分で、頭部と胸部の間にある関節接合された場所。 | . |
径脈(けいみゃく) | 記号:R 翅の先端中央まで達する翅脈。 2主支脈〜R1(第1径脈)・Rs(径分脈) | Radial Veins |
原表皮(げんひょうひ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち体の外側を覆っているのが表皮になる。この表皮は、外側の薄い外表皮と厚い原表皮に分かれる。さらに、原表皮は、キチンとタンパク質から出来ていて、外側の硬化する外原表皮(exocuticle)と内側の硬化しない内原表皮(endocuticle)にわかれる。 | procuticle |
【 こ 】 | ||
小顎(こあご) | 下腮ともいう。ナナフシでは、大顎と下唇の間にある1対の口器の大事な構成要素。小顎は、大顎を開いて葉を食べているときに、咀嚼や食べ物の保持を助ける。 | maxilla |
小顎腺(こあごせん) | 小顎の付近に開口する腺のこと。 | maxillary gland |
小顎鬚(こあごひげ) | 小顎から出ている7節ほどの付属肢。ナナフシは、この鬚を使って食物の選択を行っている。 | maxillary palp |
孔管(こうかん) | 原表皮の層にある、真皮から直角に延びている螺旋状の小管のこと。真皮細胞からの分泌物がこの管によって表面に運ばれる。 | pore canal |
口器(こうき) | ナナフシの口の周辺にある食物(葉)の摂取・咀嚼を行う器官の集まり。ナナフシの場合、上唇・大顎・小顎・下唇・下咽頭(舌)からなる。 | mouth-parts |
後胸(こうきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち一番腹側に近い節。後肢と後翅が付いている。第一腹部背板と癒合している。 | metathorax |
後胸背板(こうきょうはいばん) | 後胸の背面側の部分。有翅種では1対の後翅がある。 | metanotum |
後胸腹板(こうきょうふくばん) | 後胸の腹部側の部分。ナナフシの場合は、第1腹部腹板と癒合している。 | metasternum |
口肢(こうし) | 口部付属肢、口脚ともいう。ナナフシの口の周辺にある食物(葉)の摂取・咀嚼を行う付属肢のこと。ナナフシの場合、上唇・大顎・小顎・下唇・下咽頭(舌)からなる。 | mouth-appendage |
後肢(こうし) | 3対ある肢のうち一番後の対。後胸にある1対の肢。前肢・中肢より長い。 | hind leg |
後翅(こうし) | 有翅種の後胸にある1対の翅。ナナフシでは、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を扇域(vannus)という。 | hind wing |
肛上板(こうじょうばん) | 第11腹部背板のこと。肛上板は、小片となって第10腹部背板下に隠れています。 | spuraanal plate , epiproct |
梗節(こうせつ) | 触覚の第2節 | pedicellus |
肛側板(こうそくばん) | 肛門開口部の両側にある第11腹部節の残片(肛側板)。 | paraproct |
後側板(こうそくばん) | ナナフシの側板が胸脚の関節部から背面方向に走る側板縫合線において前後の2つの部分に分割されている場合の前方部分を前側板、後方部分を後側板という。 | epimera |
後頭縫合線(こうとうほうごうせん) | 頭部の後にある薄い膜状の線。 | occipital suture |
後腸(こうちょう) | ナナフシの消化管の一部で一番肛門に近い部分。中腸に続いて、幽門部・前小腸・後小腸・直腸に分けられ、消化・吸収の働きをする。 | hind-gut |
交尾(こうび) | 繁殖のためにオスがメスに精子嚢を受け渡し、メスは受精嚢にそれを蓄え、精子の受け渡しの行動のこと。シラキトビナナフシなどでは、オスが未知のため単為生殖が行われている。 | copulation , mating |
交尾嚢(こうびのう) | メスの体内にある器官。交尾によって注入された精子を一時的にためておく器官。 | bursa copulatrix |
肛門(こうもん) | 糞の出口。肛門は、肛上板と肛側板に囲まれています。 | anal |
【 さ 】 | ||
再生肢(さいせいし) | ナナフシでは、取れた肢が、脱皮のときに再生してくる。この再生してきた肢のことで、脱皮を経るたびに長くなってくる。しかし、ふ節は普通5節あるが、再生肢の場合は4節である。成長が進んだ場合や成虫の場合は、肢が取れても再生はしてこない。 | regenerating limb |
朔(さく) | 卵の外側の卵膜が硬くなったもの。卵殻とも言う。 | capsule |
砂嚢(さのう) | そ嚢の直後にある前腸部分。筋壁とキチン歯があって食物を砕く。 | gizzard |
産卵(さんらん) | 卵を産むこと。ナナフシの場合は、単為生殖を行う種類があるので、未受精卵を産む。 | building |
産卵管(さんらんかん) | 産卵のための腹端に発達した管状の突起。 | ovipositor |
産卵弁(さんらんべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。生殖弁。 | genital valve |
【 し 】 | ||
翅芽(しが) | 有翅種のナナフシの幼虫で見られる翅の発生初期の段階のもの。中胸背面と後胸背面の後方に見られ、脱皮を繰り返すことで大きくなっていき、羽化すると成虫の翅になる。 | wing bud |
止血膜(しけつまく) | 自切のときの出血を防ぐための膜。死んですぐに脚が取れると血が止まらずに出続ける。 | haemostatic membrane |
雌性産生単為生殖(しせいさんせいたんいせいしょく) | 単為生殖の分け方の一つで、単為生殖の結果メス個体が生じる。ハチの仲間のように未受精卵からオスが生まれてくることを産雄単位生殖という。 | thelytoky |
自切(じせつ) | ナナフシは、鳥などの敵に捕まえられたときに肢を自ら切断することがある。手で捕まえていると簡単に肢が取れることが多い。何らかの原因で肢が傷ついたりしたときにも自ら切断することがある。 | autotomy |
自切位置(じせついち) | 転節と腿節の間の縫合線。ここから肢を切断する。 | Autotomy position |
翅脈(しみゃく) | 上下2枚の膜が合わさって平面状になった翅に見られる、気管や神経を分布させるための中空の条のこと。ナナフシの翅に見られる筋のこと。縦脈と横脈があり、種によって分布の形式が決まっていて翅脈相(venation)と呼ばれる。翅脈は、機械的に翅を支えるだけでなく、翅全体の代謝も行う。 | wing vein |
射精管(しゃせいかん) | オスの内部生殖器で精子を押し出す。2本の輸精管が末端で膨らみ貯精嚢となって、最後に再び細くなって射精管を作っている。 | ductus ejaculatorius |
雌雄同体(しゆうどうたい) | オスとメスが異なるナナフシで、一つの個体にオスとメスの組織が入り混じっている個体のこと。ギナンドロモルフとも言う。 | hermaphrodite |
終令(しゅうれい) | ナナフシの成長段階のうち成虫に成る前の段階のこと。種類によって違ったり、オスとメスによっても違う。シラキトビナナフシの場合6令段階(L6)。 | subadult |
縦脈(じゅうみゃく) | ナナフシの翅にある脈(翅脈)のうち、基部から外側に向かって延びている脈のこと。 | longitudinal vein |
収斂現象(しゅうれんげんしょう) | 進化の過程で、祖先が異なる系統で似たような形質が発現すること。 | convergence behavior |
受精(じゅせい) | 卵と精子の核が合体することで、雌雄の存在するナナフシでは、交尾により雌の体内に雄の精子が放出される(体内受精)。放出された精子は、雌の生殖器官である交尾嚢に入って、その後受精嚢に移動して蓄えられる。 | fertilization |
受精嚢(じゅせいのう) | ナナフシ(雌)の生殖器官の一部で、交尾後に相手(雄)から得た精子を一時的に蓄える袋。 | receptaculum seminis |
消化管(しょうかかん) | 口腔から肛門までつながる消化に関わる管。ナナフシでは直線的で螺旋はない。前腸・中腸・後腸の3つからなり、これに唾液腺などの付属腺がともなう。 | alimentary canal, digestive tract |
上弁(じょうべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から最後の弁のこと。 | valvulae superiores |
小鰓(しょうさい) | 小顎ともいう。ナナフシでは、大顎と下唇の間にある1対の口器の大事な構成要素。小顎は、大顎を開いて葉を食べているときに、咀嚼や食べ物の保持を助ける。 | maxilla |
上翅(じょうし) | 前翅のこと。有翅種の前胸にある1対の翅。ナナフシでは、上翅は小さく硬い小片になっていることが多い。 | fore wing , elytron |
上唇(じょうしん) | 6つの節に分かれる頭部の第1節の付属肢が融合したもの。口器の前側の部分。 | labrum |
上皮(じょうひ) | 表皮のこと | cuticle |
食植生(しょくしょくせい) | すべてのナナフシは植物の葉を食べる。特定の植物にこだわる種類と、幅を持っている多食性の種類がいる。 | vegetation food |
触角(しょっかく) | 頭部にある一対の感覚器。(第2体節の付属肢)臭いや音、気流などを感じる。第1節を柄節(scape)、第2節を梗節(pedicel)、第3節以降を鞭節(flagellum)という。 | antenna |
食道(しょくどう) | 消化管のうち、咽頭と胃との間の管状部。食物を送るだけで消化・吸収はない。 | oesophagus |
ジョンストン器官(じょんすとんきかん) | 触角の付け根の梗節(第2節)と言う膨らんだ部分にある。鞭節に生えている毛が振動するのを察知して音の大きさや方向を感知する。 | Johnston`s organ |
心臓(しんぞう) | 背脈管のこと。ナナフシは、開放血管系のために、抹消血管系がない。体液を体内で循環させるためのポンプの役目をするのが背脈管である。背管ともいう。心臓。 | heart |
真皮(しんぴ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち真皮は、一層の真皮細胞で出来ている。 | hypodermis |
C脈(しーみゃく) | 前縁脈(ぜんえんみゃく) 翅の前縁に沿って走る翅脈。 | Coastal Vein |
Cu脈(しーゆーみゃく) | 肘脈(ひじみゃく) 中脈(M脈)の後方にあり、後縁に近い翅脈。 | Anterior Cubitus Veins |
【 す 】 | ||
錐状感覚子(すいじょうかんかくし) | 体表にある感覚子の一種。クチクラ装置が円錐状の鋭い突起となったもの。触角や小顎鬚、肢に多く分布していて、味受容器・臭受容器・触受容器・温度受容器などとして働くものがある。 | sensilla basiconica |
【 せ 】 | ||
生殖下板(せいしょくかばん) | 産卵管を保護している下蓋板のこと。第8〜10腹部背板と第8腹部腹板(下蓋板)によって産卵管が保護されている。 | subgenital plate |
生殖節(せいしょくせつ) | ナナフシの腹部の第8節と第9節、それ以降の節のこと。これらの節に外部生殖器があり、特殊な形をしている。 | gonotome |
生殖弁(せいしょくべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。産卵弁。 | genital valve |
精子(せいし) | 雄の配偶子のことで、精虫ともいう。 | sperm |
精巣(せいそう) | ナナフシの雄の精子が作られる器官。 | testes |
精包(せいほう) | 雄が作った精子の入った白いカプセルのようなもの。 | spermatophore |
成虫(せいちゅう) | ナナフシの成体(親)のこと。生殖活動を行う。有翅種では、最後の脱皮(羽化)で翅が生じる。 | adult |
性的モザイク(せいてきもざいく) | ギナンドロモルフを参照。雌雄モザイク・雌雄同体とも言う。 | gynandromorphism |
節(せつ) | ナナフシは外骨格なので、体が20の節で構成されている。頭部が6節・胸部が3節・腹部が11節であるが、癒合したりしている。 | section |
前胃(ぜんい) | 消化管である前腸を構成する固形の食べ物を砕く器官。 | proventriculus |
前縁部(ぜんえんぶ) | 翅の前方の縁の部分。 | leading edge |
前縁脈(ぜんえんみゃく) | 記号:C 翅の前縁に沿って走る翅脈。 | Coastal Vein |
前基節(ぜんきせつ) | 下脣を形作る中央部分で、1対の下脣髭を供えている部分。 | prementum |
前胸(ぜんきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち一番頭部に近い節。1対の前肢が付いている。 | prothorax |
前胸腺(ぜんきょうせん) | ナナフシの幼虫に見られる内分泌腺の一つで、脱皮ホルモンの一つであるエクジソンの生成・分泌を行う。 | prothoracic gland |
前胸腺刺激ホルモン(ぜんきょうせんしげきほるもん) | 前胸腺を刺激して前胸腺ホルモンを分泌させるホルモンのこと。脳ホルモンともいう。PTTH。 | prothoracicotropic hormone |
前胸腺ホルモン(ぜんきょうせんほるもん) | エクジソン。前胸腺から分泌されるホルモンを活性化する物質。脱皮ごとに分泌され、脱皮や羽化などの変態を促す。(脱皮ホルモン・変態ホルモン) | prothoracic gland hormone |
前胸背板(ぜんきょうはいばん) | 前胸の背面の固くなった部分。 | pronotum |
前胸腹板(ぜんきょうふくばん) | 前胸の腹面の部分。 | prosternum |
前口式(ぜんこうしき) | ナナフシの口器は外に露出している外腮口式になる。この外腮口式は、更に下向式、前口式、後向式に分けられ、ナナフシの場合は前口式になる。 | prognathous type |
前腸(ぜんちょう) | 消化管の一部。頭部から胸部を通る部分。前から咽頭・咽喉・食道・素嚢・前胃・噴門弁。 | fore gut |
前肢(ぜんし) | 3対ある肢のうち一番前の対。前胸にある1対の肢。ナナフシが擬態するときに、前肢を前方に伸ばしたとき、基部が頭部を包み隠すように湾曲している。 | fore leg |
前翅(ぜんし) | 有翅種の中胸についている1対の翅。まえばね。上翅のこと。 | fore wing |
前側板(ぜんそくばん) | ナナフシの側板が胸脚の関節部から背面方向に走る側板縫合線において前後の2つの部分に分割されている場合の前方部分を前側板、後方部分を後側板という。 | episterna |
先ふ節(せんふせつ) | ふ節の一番末端の小節。ナナフシの場合、2本の爪(craw)と爪間盤(arolium)がある。 | pretarsus |
【 そ 】 | ||
爪間盤(そうかんばん) | ふ節末端の2本の爪(craw)の間にある柔らかな部分。この部分があるために、垂直のガラスやプラスチックなどを簡単に登っていくことができる。 | arolium |
総輸卵管(そうゆらんかん) | それぞれの卵巣小管が長い輸卵管につながり、この左右の輸卵管が一つになって総輸卵管となり体外へ卵を排出する。 | common oviduct |
側舌(そくぜつ) | ナナフシの口器の一部である下唇は、下唇肢・中舌・側舌に分かれている。 | paraglossae |
側板(そくばん) | 体節を構成する部分。側面の部分を構成し1対ある。付属肢はここから出ている。 | pleuron |
側輸卵管(そくゆらんかん) | 卵巣を形作る小卵管が、完成した卵子を運んで送り出す開口部に位置する管のこと。 | lateral oviducts |
咀嚼口(そしゃくぐち) | ナナフシの口は、植物の葉などを噛み砕いて体内に取り入れるための口(咀嚼口)になっている。 | mouth chewing |
そ嚢(そのう) | ナナフシの消化管の一部で、食道に続いた部分が膨らみ、食物を一時的に蓄える部分。 | crop |
【 た 】 | ||
体液(たいえき) | 体内の液状成分。 | body fluid |
大腮(たいさい) | ナナフシの頭の6つの節うちで前から4つ目の節にある付属肢が変化したもので、植物を噛み砕く部分のこと。大顎(おおあご)・上腮とも言う。 | mandible |
腿節(たいせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、根元から3つ目の節。 一番大きくて長い肢の節。 | fernur |
腿節基部(たいせつきぶ) | 肢を構成する5つの節のうち、一番根元の節。 | base thigh section |
大動脈(だいどうみゃく) | 心臓(背脈管)の前端部。最先端は脳の下面で開放のまま終わる。 | aorta |
唾液腺(だえきせん) | 顎下腺(submandibular gland)。口腔または咽頭に開いている腺の総称。 | salivary glands |
脱皮(だっぴ) | ナナフシ(昆虫)が、成長の過程において古いクチクラ層をひとまとめに脱ぎ捨てること。 | ecdysis, moit(ing) |
脱皮液(だっぴえき) | 脱皮の過程で、真皮細胞が分泌する液のこと。旧クチクラを下部より消化していく。 | moiting fluid |
脱皮殻(だっぴから) | ナナフシが脱皮したときの「抜け殻」。外クチクラだけからなるので薄い。気管などもついている。多くは、脱皮後に食べられてしまう。 | exuvium |
脱皮線(だっぴせん) | ナナフシが脱皮のとき体全体が抜け出してくる頭部後方から前胸背面・中胸背面の線状の皮の薄い部分。 | ecdysial line |
脱皮腺(だっぴせん) | ナナフシの表皮中にある腺。脱皮の最終過程で新クチクラ形成後に、セメント層を分泌し、速やかに硬化してワックス層の保護層を形成する。 | ecdysial gland |
脱皮ホルモン(だっぴほるもん) | 前胸腺ホルモンのこと。エクジソン。前胸腺から分泌されるホルモンを活性化する物質。脱皮ごとに分泌され、脱皮や羽化などの変態を促す。(変態ホルモン) | prothoracic gland hormone |
卵(たまご) | 雌の配偶子のこと。種類によって卵の模様や形は決まっているので、分類の参考になる。 | egg |
単為生殖(たんいせいしょく) | 雌が雄と関係なしに、単独で新個体を生ずる生殖法。 | parthenogenesis |
単眼(たんがん) | 明暗に反応する目だが、ナナフシの場合ほとんど退化している。 | osellus |
端三角部(たんさんかくぶ) | ナナフシの中肢・後肢の脛節下面の末端にある溝線によって区割りされた三角部のこと。ナナフシを分類する場合の最初の基準になっている。この端三角部のあるものをAreolatae、端三角部のないものをAnareolataeという。 | area apicalis |
端糸(たんし) | ナナフシの小卵管は原始的な無栄養室型で栄養室を持っていない。この小卵管は細長い管で、生殖室と端糸からできている。端糸は生殖室の先の細長い糸のようなもの。 | terminal filament |
【 ち 】 | ||
中胸(ちゅうきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち真ん中の節。1対の中肢が付いている。有翅種では、前翅がある。気門の第1対はここから始まる。 | mesothorax |
中胸背板(ちゅうきょうはいばん) | 中胸の背面の固くなった部分。有翅種では、前翅がある。 | mesonotum |
中肢(ちゅうし) | 3対ある肢のうち真ん中の対。中胸にある1対の肢。 | mid leg , middle leg |
中節(ちゅうせつ) | 第1腹部背板のこと。 | segmentum medianum |
中舌(ちゅうぜつ) | ナナフシの口器の一部である下唇は、下唇肢・中舌・側舌に分かれている。 | glossae |
中腸(ちゅうちょう) | ナナフシの消化管を3つに分けたときの2番目の部分。中腸の前端には、胃盲嚢と呼ばれる盲管が数個あり、その後、マルピーギ管まで真直ぐに続いている。 | mid-gut |
中弁(ちゅうべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から真ん中の弁のこと。 | valvulae internae |
中脈(ちゅうみゃく) | 記号:M 径脈の後方にある翅脈。 | Median Veins |
貯精嚢(ちょせいのう) | オスのナナフシの内部生殖器の一つ。輸精管の途中が膨れて、精子を貯めておくことが出来る。 | seminal vesicles |
【 つ 】 | ||
爪(つめ) | ふ節の一番先端部分(先ふ節)にある2つの爪。 爪の間には、爪間盤(arolium)がある。 |
craw |
【 て 】 | ||
転節(てんせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、根元から2つ目の節。 基節と腿節に挟まれた部分。 | trochanter |
臀域(でんいき) | ナナフシの後翅は、、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を臀域・扇域という。 | anal area |
臀扇(でんおう) | ナナフシの後翅は、、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を臀域・扇域という。 | anal fan |
臀脈(でんみゃく) | 記号:A 縦脈のうち、最後方にある翅脈。 | Anal Veins |
【 と 】 | ||
頭蓋縫合線(とうがいほうごうせん) | 頭部の逆Y字型の薄い膜状の線。脱皮のときにここから裂け始める。 | epicranial suture |
頭楯(とうじゅん) | 頭の前の部分。口器(上唇)のすぐ上の部分。 | clypeus |
頭頂(とうちょう) | 頭の上の部分。左右の複眼の間およびその後方の部分。 | vertex |
頭部(とうぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の先頭部分。頭部は、6つの体節が癒合して出来ている。各節には付属肢があるが、癒合や変形をして、触角・大顎・上唇・小顎・下唇になる。第3節には付属肢はない。 | head |
棘(とげ) | ナナフシの皮膚の細胞が外側に突出したもののうち、基部が動かないもの。基部が可動のものは距(きょ)という。 | spine |
共食い(ともぐい) | ナナフシは、食植性なので他の個体を食べることはない。 | cannibalism |
【 な 】 | ||
内分泌腺(ないぶんぴつせん) | アラタ体、前胸腺、脳などの内分泌を行いホルモンを出す腺のこと。 | endocrine gland |
内表皮(ないひょうひ) | 原表皮を参照 | endocuticle |
【 に 】 | ||
ニンフ(にんふ) | ナナフシなどの不完全変態の昆虫で、成虫になる一歩手前の熟令幼虫のこと。 | nymphe |
【 ぬ 】 | ||
脱け殻(ぬけがら) | ナナフシの幼虫が成長する時に脱皮をするが、その時に脱ぎ捨てた皮膚のこと。ナナフシの場合は、脱皮後に脱け殻を食べてしまうことがほとんどである。脱殻(だっかく)。脱皮殻(だっぴから)。 | uncoating |
【 ね 】 | ||
. | . | . |
【 の 】 | ||
脳(のう) | 神経系で、神経細胞が集合して神経作用の支配的中心となった部分。(中枢神経系) | brain |
脳ホルモン(のうほるもん) | 前胸腺刺激ホルモンのこと。PTTH。 | brain hormone |
【 は 】 | ||
把握器(はあくき) | ナナフシの雄の腹部末端についているかぎ状の1対の器官。交尾の時に雌の腹部をしっかりと挟んで離さない。 | clasper |
背管(はいかん) | 背脈管のこと。 心臓。 | dorsal vessel |
背腔(はいこう) | 囲心腔の昆虫における呼び方。ナナフシなどの開放血管系の昆虫の心臓を囲む体の背面の境界のはっきりしない空間。呼吸器官からきた血液がこの背腔(囲心腔)に入って心門から心臓に入っていきます。 | dorsal sinus |
背板(はいばん) | ナナフシの体節を構成する部分で、背面の硬化した部分。胸部の背板は、notumと呼ばれ、3つの部分に分かれる。前胸背板(pronotum)・中胸背板(mesonotum)・後胸背板(metanotum)。 特に、ナナフシでは見られないが、中胸と後胸の背板は、板片に分割される場合もある。端背板(acrotergite)・前楯板(prescutum)・楯板(scutum)・小楯板(scutellum) |
notum , tergum |
背脈管(はいみゃくかん) | ナナフシの心臓に相当する器官。ナナフシは、開放血管系のために、抹消血管系がない。体液を体内で循環させるためのポンプの役目をするのが背脈管である。背管ともいう。心臓。 | dorsal vessel |
翅(はね) | 中胸と後胸に各一対ある飛ぶための器官。ナナフシの場合は、翅があっても飛ぶことが出来ないものもいる。胸節の背板の側板(側背板:paranotum)が伸びて扁平になったもの。中胸には前翅が、後胸には後翅がついている。翅の基部から先端に向かって大小の管状の隆起が走り翅脈を作っている。翅は幼虫期には、背面上皮の嚢状突起物(成虫原基)として現れ、それが脱皮を通して発達し、羽化のときに完成する。成虫原基は、ナナフシ(不完全変態昆虫)では、体表に突出している。 | wing |
【 ひ 】 | ||
尾角(びかく)・尾毛(びもう) | 腹部の末端に見られる一対の糸状の突起で、1節でできている。 | cercus |
肘脈(ひじみゃく) | 記号:Cu 中脈(M脈)の後方にあり、後縁に近い翅脈。 | Anterior Cubitus Veins |
尾節(びせつ) | 一番最後の体節(第11節)で、肛門を包括している。ほとんど退化して肛門の周囲に肛片として残っている。 | telson |
皮膚(ひふ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。 | integument |
表皮(ひょうひ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち体の外側を覆っているのが表皮になる。この表皮は、外側の薄い外表皮と厚い原表皮に分かれる。 | cuticle |
【 ふ 】 | ||
ファレート状態(ふぁれーとじょうたい) | ナナフシが脱皮や羽化を行うときに、たとえば外見上は6令幼虫であるが、上クチクラの下にはすでに成虫クチクラが出来上がっているような状態。 実際の脱皮が起こらなくてもアポリシス以降はこの状態にあるといえる。 |
pharate condition |
孵化(ふか) | 卵から幼虫が孵ること。ナナフシの場合、乾燥していると卵殻が肢について離れなかったり、体が抜け出せなかったりすることが多い。 | hatching |
不完全変態(ふかんぜんへんたい) | ナナフシの変態様式。幼虫(若虫)の時からすでに肢や外部生殖器の原基が外部に現れていて、それが脱皮を繰り返すごとに次第に発達して成虫になっていく。蛹の時期がない。 | hemimetaboly , incomplete metamorphosis |
複眼(ふくがん) | 普通に眼と見えるものが複眼。ナナフシの場合、頭部に2つついている。 | compound eye |
腹板(ふくばん) | 体節を構成する部分の一つで、腹面側の硬くなった部分。 | sternum |
腹部(ふくぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の最後の部分。ナナフシの場合、11節で出来ている。第1節は後胸と癒合し区別がはっきりしない。第10節は肛節(anale segment)と呼ばれ小さな小片となっている。第11節は肛上板(spuraanal plate)として存在している。 | abdomen |
腹部背板(ふくぶはいばん) | 腹部節の背面側の硬くなった部分。 | abdominal tergite |
腹部腹板(ふくぶふくばん) | 腹部節の腹面側の硬くなった部分。 | ventral abdomen board |
ふ節(ふせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、末端にある5つ目の節。 普通、ナナフシはふ節が5節から出来ているが、Timematodeaはふ節が3節しかない。 | tarsus |
ふ節盤(ふせつばん) | ふ節は、5節から出来ていて、ふ節の先はふ節盤(5節目の先の部分)になっている。 | euplantulae |
付属肢(ふぞくし) | ナナフシの体節から出ている1対のもの。腹部では消失している。胸部の付属肢は、3対の肢。頭部のものは大顎や小顎など。 | appendage |
噴門弁(ふんもんべん) | ナナフシの消化管のうち、前腸と中腸のあいだにある弁のこと。 | stinidaeal valve |
【 へ 】 | ||
変態(へんたい) | 昆虫の体の構造が変化すること。幼虫から成虫までの間に蛹の期間があると完全変態。蛹の期間がなければ不完全変態。ナナフシは不完全変態。 | metamorphosis |
【 ほ 】 | ||
防御腺(ぼうぎょせん) | ツダナナフシやPeruphasma schulteiなどは、襲われたり脅かされたりすると、前胸の肩部にある1対の腺から刺激臭のする白い防御液を噴射する。 噴射の方向は相手に合わせて変えることができる。この防御液を蓄えておいて噴出させる腺のこと。 |
repugnatorial gland |
縫合線(ほうごうせん) | 体壁各部の外から見える明瞭な区分を示している線。 | suture |
頬(ほほ) | ナナフシの頭部で、複眼の下にあたる部分。前頭−頬縫合線と後頭で囲まれた部分。 | cheek |
【 ま 】 | ||
マルピーギ管(まるぴーぎかん) | ナナフシの排泄器官。中腸と後腸の中間部分にある細長い糸状の盲管で、老廃物を排出するための器官。 | malpighian tube |
【 み 】 | ||
. | . | . |
【 む 】 | ||
無栄養型卵巣小管(むえいようがたらんそうしょうかん) | 卵の形成様式には、栄養細胞が分化せずに卵母細胞が単独で成長する無栄養室型と、栄養細胞が分化し、これらの細胞に伴われて卵母細胞が成長する栄養室型(多栄養室型と端栄養室型)の2つがある。ナナフシは、無栄養室型の卵巣小管。 | panoistic ovarioles |
無翅種(むししゅ) | 成虫になっても翅のないナナフシの種類。 | wingless species |
【 め 】 | ||
雌(めす) | 記号:♀ ナナフシのうち卵子を作るほうの個体。ナナフシでは、オスが発見されておらずにメスのみで単為生殖をするものが多い。一般に、北へ行くほどメスのみの単為生殖が多く見られる。 | female |
【 も 】 | ||
盲嚢(もうのう) | . | enteric caeca |
【 や 】 | ||
. | . | . |
【 ゆ 】 | ||
有翅種(ゆうししゅ) | 成虫になると翅のあるナナフシの種類。 | alate species |
幽門弁(ゆうもんべん) | ナナフシの消化管のうち、中腸と後腸のあいだにある弁のこと。食べ物の流れを制御する弁。 | proctodaeal valve |
癒合(ゆごう) | 第1腹部背板と後胸が一つになって区別がつかない状態など、本来なら分離しているものが一体化している状態。 | fusion |
輸卵管(ゆらんかん) | 卵を卵巣から体外へ導くための管。ナナフシの場合は、それぞれの卵巣小管が長い輸卵管に個々につながっている。 | oviduct |
【 よ 】 | ||
幼形成熟(ようけいせいじゅく) | 幼虫の段階で発生が止まり、そのまま生殖器官が成熟し、繁殖すること。トビナナフシ類でのこれに似た観察例がある。 | neoteny |
幼若ホルモン(ようじゃくほるもん) | アラタ体から分泌されるホルモンで、アラタ体ホルモン・幼虫ホルモンとも言う。幼虫形質の持続、前胸腺の維持、卵巣の成熟に関係する。 | juvenile hormone |
幼虫ホルモン(ようちゅうほるもん) | アラタ体から分泌されるホルモンで、アラタ体ホルモン・幼若ホルモンとも言う。幼虫形質の持続、前胸腺の維持、卵巣の成熟に関係する。 | juvenile hormone |
幼虫(ようちゅう) | ナナフシの幼生。完全変態のものを幼虫、不完全変態のものを若虫、と区別することが多いが、ナナフシの場合も普通に幼虫と呼んでいる。幼虫は、卵から孵化した後、数回の脱皮を行って成虫となる。 | nymphe , larva |
【 ら 】 | ||
卵蓋(らんがい) | 卵の蓋の部分。孵化のとき、この卵蓋を開けて幼虫が出てくる。 | operculum |
卵殻(らんかく) | 卵の外側の卵膜が硬くなったもの。朔とも言う。 | capsule , eggshell |
卵巣(らんそう) | 卵子を作るメスの生殖器官。 | ovaries |
卵巣小管(らんそうしょうかん) | 卵巣を作る細い管(卵巣管)。 | ovarioles |
卵門(らんもん) | 卵の卵膜にある細孔で、精子が通過する部分。精孔。 | micropyle |
【 り 】 | ||
両輸精管(りょうゆせいかん) | オスの内部生殖器、精巣で作られた精子が通る管のこと。1対の精巣からそれぞれ伸びていてそれが合わさり途中の部分が膨らんで貯精嚢を形成する。 | vasa deferentia |
【 る 】 | ||
. | . | . |
【 れ 】 | ||
令(れい)・齢(れい) | 幼虫の発育段階を区分するときの言葉。孵化してから1回目の脱皮までの段階を1令。2回目の脱皮までの段階を2令。幼虫期最後の令を終令(last instar)。 | instar |
【 ろ 】 | ||
. | . | . |
【 わ 】 | ||
若虫(わかむし) | ナナフシの幼生。完全変態のものを幼虫、不完全変態のものを若虫、と区別することが多いが、ナナフシの場合も普通に幼虫と呼んでいる。幼虫は、卵から孵化した後、数回の脱皮を行って成虫となる。 | nymphe , larva |
これからも新しい用語を追加していきます。 間違いなどがありましたら連絡を下さい。⇒ メール |
英語 | 日本語 | 解説 |
【 A 】 | ||
abdomen | 腹部(ふくぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の最後の部分。ナナフシの場合、11節で出来ている。第1節は後胸と癒合し区別がはっきりしない。第10節は肛節(anale segment)と呼ばれ小さな小片となっている。第11節は肛上板(spuraanal plate)として存在している。 |
abdominal tergite | 腹部背板(ふくぶはいばん) | 腹部節の背面側の硬くなった部分。 |
adult | 成虫(せいちゅう) | ナナフシの成体(親)のこと。生殖活動を行う。有翅種では、最後の脱皮(羽化)で翅が生じる。 |
alate species | 有翅種(ゆうししゅ) | 成虫になると翅のあるナナフシの種類。 |
alimentary canal | 消化管(しょうかかん) | 口腔から肛門までつながる消化に関わる管。ナナフシでは直線的で螺旋はない。前腸・中腸・後腸の3つからなり、これに唾液腺などの付属腺がともなう。 |
anal | 肛門(こうもん) | 糞の出口。肛門は、肛上板と肛側板に囲まれています。 |
anal area | 臀域(でんいき) | ナナフシの後翅は、、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を臀域・扇域という。 |
anal fan | 臀扇(でんおう) | ナナフシの後翅は、、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を臀域・扇域という。 |
Anal Veins | 臀脈(でんみゃく) A脈 | 記号:A 縦脈のうち、最後方にある翅脈。 |
antenna | 触角(しょっかく) | 頭部にある一対の感覚器。(第2体節の付属肢)臭いや音、気流などを感じる。第1節を柄節(scape)、第2節を梗節(pedicel)、第3節以降を鞭節(flagellum)という。 |
Anterior Cubitus Veins | 中脈(ちゅうみゃく) Cu脈 | 記号:Cu 中脈(M脈)の後方にあり、後縁に近い翅脈。 |
aorta | 大動脈(だいどうみゃく) | 心臓(背脈管)の前端部。最先端は脳の下面で開放のまま終わる。 |
apolysis | アポリシス | ナナフシの脱皮のときに、一番早い段階に起こる現象。旧クチクラとその下に重なっている真皮細胞が分離すること。 |
appendage | 付属肢(ふぞくし) | ナナフシの体節から出ている1対のもの。腹部では消失している。胸部の付属肢は、3対の肢。頭部のものは大顎や小顎など。 |
area apicalis | 端三角部(たんさんかくぶ) | ナナフシの中肢・後肢の脛節下面の末端にある溝線によって区割りされた三角部のこと。ナナフシを分類する場合の最初の基準になっている。この端三角部のあるものをAreolatae、端三角部のないものをAnareolataeという。 |
arolium | 爪間盤(そうかんばん) | ふ節末端の2本の爪(craw)の間にある柔らかな部分。この部分があるために、垂直のガラスやプラスチックなどを簡単に登っていくことができる。 |
autotomy | 自切(じせつ) | ナナフシは、鳥などの敵に捕まえられたときに肢を自ら切断することがある。手で捕まえていると簡単に肢が取れることが多い。何らかの原因で肢が傷ついたりしたときにも自ら切断することがある。 |
Autotomy position | 自切位置(じせついち) | 転節と腿節の間の縫合線。ここから肢を切断する。 |
【 B 】 | ||
basement membrane | 基底膜(きていまく) | 皮膚を作る3層(表皮・真皮・基底膜)のうち、最も内側にある層。皮膚の構造を支える。 |
base thigh section | 腿節基部(たいせつきぶ) | 肢を構成する5つの節のうち、一番根元の節。 |
biting mouth-part | 咬み型口器(かみがたこうき) | 咀嚼型口器ともいう。ナナフシの口の型で、大顎が発達していて植物の葉を咬みとって食べるのに適している。 |
body fluid | 体液(たいえき) | 体内の液状成分。 |
brain | 脳(のう) | 神経系で、神経細胞が集合して神経作用の支配的中心となった部分。(中枢神経系) |
brain hormone | 脳ホルモン(のうほるもん) | 前胸腺刺激ホルモンのこと。PTTH。 |
building | 産卵(さんらん) | 卵を産むこと。ナナフシの場合は、単為生殖を行う種類があるので、未受精卵を産む。 |
bursa copulatrix | 交尾嚢(こうびのう) | メスの体内にある器官。交尾によって注入された精子を一時的にためておく器官。 |
【 C 】 | ||
cannibalism | 共食い(ともぐい) | ナナフシは、食植性なので他の個体を食べることはない。 |
capitulum | 蓋帽(がいぼう) | 卵蓋の中央の一突起。種類によってない場合もある。 |
capsule | 朔(さく) 卵殻(らんかく) |
卵の外側の卵膜が硬くなったもの。卵殻とも言う。 |
cercus | 尾角(びかく)・尾毛(びもう) | 腹部の末端に見られる一対の糸状の突起で、1節でできている。 |
cheek | 頬(ほほ) | ナナフシの頭部で、複眼の下にあたる部分。前頭−頬縫合線と後頭で囲まれた部分。 |
chitin | キチン(きちん) | ナナフシの体表面を構成するもの。キチンが硬くなって(キチン化)外骨格を形作る。 |
clasper | 把握器(はあくき) | ナナフシの雄の腹部末端についているかぎ状の1対の器官。交尾の時に雌の腹部をしっかりと挟んで離さない。 |
clypeus | 頭楯(とうじゅん) | 頭の前の部分。口器(上唇)のすぐ上の部分。 |
Coastal Vein | 前縁脈(ぜんえんみゃく) C脈 | 記号:C 翅の前縁に沿って走る翅脈。 |
common oviduct | 総輸卵管(そうゆらんかん) | それぞれの卵巣小管が長い輸卵管につながり、この左右の輸卵管が一つになって総輸卵管となり体外へ卵を排出する。 |
compound eye | 複眼(ふくがん) | 普通に眼と見えるものが複眼。ナナフシの場合、頭部に2つついている。 |
convergence behavior | 収斂現象(しゅうれんげんしょう) | 進化の過程で、祖先が異なる系統で似たような形質が発現すること。 |
copulation , mating | 交尾(こうび) | 繁殖のためにオスがメスに精子嚢を受け渡し、メスは受精嚢にそれを蓄え、精子の受け渡しの行動のこと。シラキトビナナフシなどでは、オスが未知のため単為生殖が行われている。 |
corpora allata | アラタ体(あらたたい) | ナナフシの頭部にある内分泌腺で、幼若ホルモンを分泌して幼虫状態を維持する。 |
coxa | 基節(きせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、最も基部の節。 胸部の腹側にある基節孔という穴に入っている。 |
craw | 爪(つめ) | ふ節の一番先端部分(先ふ節)にある2つの爪。 爪の間には、爪間盤(arolium)がある。 |
crop | そ嚢(そのう) | ナナフシの消化管の一部で、食道に続いた部分が膨らみ、食物を一時的に蓄える部分。 |
cross vein | 横脈(おうみゃく) | ナナフシの翅の脈のうちで、縦脈と縦脈をつなげる脈のこと。 |
cryptic coloration | 隠蔽色(いんぺいしょく) | 周囲の環境に溶け込んで、その存在を目立たなくするような体色。 |
cuticule | 角皮(かくひ) クチクラ(くちくら) |
表皮を作っている細胞が、その外側に分泌することで生じる丈夫な膜で外骨格を構成する。クチクラ、キューティクルともいう。 |
【 D 】 | ||
death mimicry | 擬死(ぎし) | ナナフシが、触られたりすると、手足を縮めて体に密着させたり、手足をつっぱったりして、死んだような形(ふり)をすること。 たいてい、しばらく放置すると手足など体の末端が動き始め、やがて手足を伸ばして移動を始める。 |
digestive tract | 消化管(しょうかかん) | 口腔から肛門までつながる消化に関わる管。ナナフシでは直線的で螺旋はない。前腸・中腸・後腸の3つからなり、これに唾液腺などの付属腺がともなう。 |
dorsal sinus | 背腔(はいこう) | 囲心腔の昆虫における呼び方。ナナフシなどの開放血管系の昆虫の心臓を囲む体の背面の境界のはっきりしない空間。呼吸器官からきた血液がこの背腔(囲心腔)に入って心門から心臓に入っていきます。 |
dorsal vessel | 背管(はいかん) 背脈管(はいみゃくかん) |
背脈管のこと。 心臓。 |
ductus ejaculatorius | 射精管(しゃせいかん) | オスの内部生殖器で精子を押し出す。2本の輸精管が末端で膨らみ貯精嚢となって、最後に再び細くなって射精管を作っている |
【 E 】 | ||
ecdysial gland | 脱皮腺(だっぴせん) | ナナフシの表皮中にある腺。脱皮の最終過程で新クチクラ形成後に、セメント層を分泌し、速やかに硬化してワックス層の保護層を形成する。 |
ecdysial line | 脱皮線(だっぴせん) | ナナフシが脱皮のとき体全体が抜け出してくる頭部後方から前胸背面・中胸背面の線状の皮の薄い部分。 |
ecdysis, moit(ing) | 脱皮(だっぴ) | ナナフシ(昆虫)が、成長の過程において古いクチクラ層をひとまとめに脱ぎ捨てること。 |
egg | 卵(たまご) | 雌の配偶子のこと。種類によって卵の模様や形は決まっているので、分類の参考になる。 |
eggshell | 卵殻(らんかく) | 卵の外側の卵膜が硬くなったもの。朔とも言う。 |
elytron | 上翅(じょうし) | 前翅のこと。有翅種の前胸にある1対の翅。ナナフシでは、上翅は小さく硬い小片になっていることが多い。 |
emergence | 羽化(うか) | 不完全変態のナナフシの場合は、終令幼虫から成虫になるときの脱皮のこと。 有翅種の場合、翅が生えてくる。 |
endocrine gland | 内分泌腺(ないぶんぴつせん) | アラタ体、前胸腺、脳などの内分泌を行いホルモンを出す腺のこと。 |
endocuticle | 内表皮(ないひょうひ) | 原表皮を参照 |
enteric caeca | 盲嚢(もうのう) | |
epicranial suture | 頭蓋縫合線(とうがいほうごうせん) | 頭部の逆Y字型の薄い膜状の線。脱皮のときにここから裂け始める。 |
epicuticle | 外表皮(がいひょうひ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち体の外側を覆っているのが表皮になる。この表皮は、外側の薄い外表皮と厚い原表皮に分かれる。さらに、外表皮は、外側からセメント層(cement layer)・ロウ層(wax layer)・外表皮外層(outer epicuticle)・外表皮内層(inner epicuticle)からつくられている。 |
epimera | 後側板(こうそくばん) | ナナフシの側板が胸脚の関節部から背面方向に走る側板縫合線において前後の2つの部分に分割されている場合の前方部分を前側板、後方部分を後側板という。 |
epiproct , spuraanal plate | 肛上板(こうじょうばん) | 第11腹部背板のこと。肛上板は、小片となって第10腹部背板下に隠れています。 |
episterna | 前側板(ぜんそくばん) | ナナフシの側板が胸脚の関節部から背面方向に走る側板縫合線において前後の2つの部分に分割されている場合の前方部分を前側板、後方部分を後側板という。 |
euplantulae | ふ節盤(ふせつばん) | ふ節は、5節から出来ていて、ふ節の先はふ節盤(5節目の先の部分)になっている。 |
exuvium | 脱皮殻(だっぴから) | ナナフシが脱皮したときの「抜け殻」。外クチクラだけからなるので薄い。気管などもついている。多くは、脱皮後に食べられてしまう。 |
【 F 】 | ||
female | 雌(めす) | 記号:♀ ナナフシのうち卵子を作るほうの個体。ナナフシでは、オスが発見されておらずにメスのみで単為生殖をするものが多い。一般に、北へ行くほどメスのみの単為生殖が多く見られる。 |
fernur | 腿節(たいせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、根元から3つ目の節。 一番大きくて長い肢の節。 |
fertilization | 受精(じゅせい) | 卵と精子の核が合体することで、雌雄の存在するナナフシでは、交尾により雌の体内に雄の精子が放出される(体内受精)。放出された精子は、雌の生殖器官である交尾嚢に入って、その後受精嚢に移動して蓄えられる。 |
fore gut | 前腸(ぜんちょう) | 消化管の一部。頭部から胸部を通る部分。前から咽頭・咽喉・食道・素嚢・前胃・噴門弁。 |
fore leg | 前肢(ぜんし) | 3対ある肢のうち一番前の対。前胸にある1対の肢。ナナフシが擬態するときに、前肢を前方に伸ばしたとき、基部が頭部を包み隠すように湾曲している。 |
fore wing | 上翅(じょうし) 前翅(ぜんし) |
前翅のこと。有翅種の前胸にある1対の翅。ナナフシでは、上翅は小さく硬い小片になっていることが多い。 |
frontoclypeal suture | 額頭楯縫合線(がくとうじゅんほうごうせん) | 前頭−頭楯縫合線のこと。 |
fusion | 癒合(ゆごう) | 第1腹部背板と後胸が一つになって区別がつかない状態など、本来なら分離しているものが一体化している状態。 |
【 G 】 | ||
genital valve | 生殖弁(せいしょくべん) 産卵弁(さんらんべん) |
産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。生殖弁。 |
gizzard | 砂嚢(さのう) | そ嚢の直後にある前腸部分。筋壁とキチン歯があって食物を砕く。 |
gonotome | 生殖節(せいしょくせつ) | ナナフシの腹部の第8節と第9節、それ以降の節のこと。これらの節に外部生殖器があり、特殊な形をしている。 |
gula | 咽喉(いんこう) | ナナフシの頭部腹面の最後部(首の腹面)に当たる部分が硬くなったもの。その前方は、顎節につながっている。 |
gynandromorphism | ギナンドロモルフ(ぎなんどろもるふ) | オスとメスが異なるナナフシで、一つの個体にオスとメスの組織が入り混じっている個体のこと。(雌雄モザイク) 参考 |
【 H 】 | ||
haemostatic membrane | 止血膜(しけつまく) | 自切のときの出血を防ぐための膜。死んですぐに脚が取れると血が止まらずに出続ける。 |
hatching | 孵化(ふか) | 卵から幼虫が孵ること。ナナフシの場合、乾燥していると卵殻が肢について離れなかったり、体が抜け出せなかったりすることが多い。 |
head | 頭部(とうぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の先頭部分。頭部は、6つの体節が癒合して出来ている。各節には付属肢があるが、癒合や変形をして、触角・大顎・上唇・小顎・下唇になる。第3節には付属肢はない。 |
heart | 心臓(しんぞう) | 背脈管のこと。ナナフシは、開放血管系のために、抹消血管系がない。体液を体内で循環させるためのポンプの役目をするのが背脈管である。背管ともいう。心臓。 |
hemimetaboly | 不完全変態(ふかんぜんへんたい) | ナナフシの変態様式。幼虫(若虫)の時からすでに肢や外部生殖器の原基が外部に現れていて、それが脱皮を繰り返すごとに次第に発達して成虫になっていく。蛹の時期がない。 |
hermaphrodite | 雌雄同体(しゆうどうたい) | オスとメスが異なるナナフシで、一つの個体にオスとメスの組織が入り混じっている個体のこと。ギナンドロモルフとも言う。 |
hibernating egg | 越年卵(えつねんらん) | 卵で越年する昆虫における越冬する卵(休眠卵)のこと。降雪地方・寒冷地方のナナフシで見られる。シラキトビナナフシの卵など。 |
hind-gut | 後腸(こうちょう) | ナナフシの消化管の一部で一番肛門に近い部分。中腸に続いて、幽門部・前小腸・後小腸・直腸に分けられ、消化・吸収の働きをする。 |
hind leg | 後肢(こうし) | 3対ある肢のうち一番後の対。後胸にある1対の肢。前肢・中肢より長い。 |
hind wing | 後翅(こうし) | 有翅種の後胸にある1対の翅。ナナフシでは、硬い革質部と薄く扇子のように折りたたむことのできる膜質部とからなる。革質部を主域(remigium)、臀脈が多数放射状に広がった膜質部を扇域(vannus)という。 |
holopneustic type | 完気門式(かんきもんしき) | 10対の気門を完全に備える型。ナナフシはこの型になる。中胸・後胸にそれぞれ1対ずつと腹部に8対の計10対あるもの。 |
hypodermis | 下皮(かひ) | 真皮(しんぴ)のこと |
hypopharynx | 下咽頭(かいんとう) | 刺舌、側舌突起、舌状体とも呼ばれる。 ナナフシの頭部下側の大きな膜質の舌状突起。下咽頭と頭楯基部との間に口が開口し、これと下唇基部との間には唾液腺が開口する。 |
【 I 】 | ||
incomplete metamorphosis | 不完全変態(ふかんぜんへんたい) | ナナフシの変態様式。幼虫(若虫)の時からすでに肢や外部生殖器の原基が外部に現れていて、それが脱皮を繰り返すごとに次第に発達して成虫になっていく。蛹の時期がない。 |
instar | 令(れい)・齢(れい) | 幼虫の発育段階を区分するときの言葉。孵化してから1回目の脱皮までの段階を1令。2回目の脱皮までの段階を2令。幼虫期最後の令を終令(last instar)。 |
integument | 皮膚(ひふ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。 |
【 J 】 | ||
Johnston`s organ | ジョンストン器官(じょんすとんきかん) | 触角の付け根の梗節(第2節)と言う膨らんだ部分にある。鞭節に生えている毛が振動するのを察知して音の大きさや方向を感知する。 |
juvenile hormone | 幼若ホルモン(ようじゃくほるもん) 幼虫ホルモン(ようちゅうほるもん) |
アラタ体から分泌されるホルモンで、アラタ体ホルモン・幼虫ホルモンとも言う。幼虫形質の持続、前胸腺の維持、卵巣の成熟に関係する。 |
【 K 】 | ||
【 L 】 | ||
labial palp | 下唇鬚(かしんひげ) | ナナフシの下唇から生じる小突起で、3節からなる。 |
labium | 下唇(かしん)・下脣(かしん) | 6つの節に分かれる頭部の一番末節にある口器を作る1個の突起。小顎の後方にあり頭部の付属肢では最後方。下唇は、頭部と関節する後基板(亜基板submentum+基板mentum)と下唇の本体となる前基板prementumとからなる。また、前基板には副舌paraglossa・中舌glossa・下唇鬚がある |
labrum | 上唇(じょうしん) | 6つの節に分かれる頭部の第1節の付属肢が融合したもの。口器の前側の部分。 |
larva | 幼虫(ようちゅう) 若虫(わかむし) |
ナナフシの幼生。完全変態のものを幼虫、不完全変態のものを若虫、と区別することが多いが、ナナフシの場合も普通に幼虫と呼んでいる。幼虫は、卵から孵化した後、数回の脱皮を行って成虫となる。 |
lateral oviducts | 側輸卵管(そくゆらんかん) | 卵巣を形作る小卵管が、完成した卵子を運んで送り出す開口部に位置する管のこと。 |
lavina subgenitalis , operculum , subgenitalplate | 下蓋板(かがいばん) 生殖下板(せいしょくかばん) |
ナナフシのメスの生殖口を覆うもの。(メスだけに使われる言葉) 産卵管を保護している下蓋板のこと。第8〜10腹部背板と第8腹部腹板(下蓋板)によって産卵管が保護されている。 |
leading edge | 前縁部(ぜんえんぶ) | 翅の前方の縁の部分。 |
leg | 肢(あし) | ナナフシの胸部に3対ある足(脚)のこと。 前胸・中胸・後胸にそれぞれ1対あって、前肢・中肢・後肢という。 |
longitudinal vein | 縦脈(じゅうみゃく) | ナナフシの翅にある脈(翅脈)のうち、基部から外側に向かって延びている脈のこと。 |
【 M 】 | ||
male | 雄(おす) | 記号:♂ ナナフシのうち精子を作るほうの個体。ナナフシでは、オスが発見されておらずにメスのみで単為生殖をするものが多い。一般に、北へ行くほどメスのみの単為生殖が多く見られる。 |
malpighian tube | マルピーギ管(まるぴーぎかん) | ナナフシの排泄器官。中腸と後腸の中間部分にある細長い糸状の盲管で、老廃物を排出するための器官。 |
mandible | 大顎(おおあご) | ナナフシの頭の6つの節うちで前から4つ目の節にある付属肢が変化したもので、植物を噛み砕く部分のこと。 大鰓(たいさい) |
mandibular glands | 大顎腺(おおあごせん) | ナナフシの口器の大顎基部に開口する分泌腺。 |
mating , copulation | 交尾(こうび) | 繁殖のためにオスがメスに精子嚢を受け渡し、メスは受精嚢にそれを蓄え、精子の受け渡しの行動のこと。シラキトビナナフシなどでは、オスが未知のため単為生殖が行われている。 |
maxilla | 小顎(こあご) | 下腮ともいう。ナナフシでは、大顎と下唇の間にある1対の口器の大事な構成要素。小顎は、大顎を開いて葉を食べているときに、咀嚼や食べ物の保持を助ける。 |
maxillary gland | 小顎腺(こあごせん) | 小顎の付近に開口する腺のこと。 |
maxillary palp | 小顎鬚(こあごひげ) | 小顎から出ている7節ほどの付属肢。ナナフシは、この鬚を使って食物の選択を行っている。 |
Median Veins | 中脈(ちゅうみゃく) M脈 | 記号:M 径脈の後方にある翅脈。 |
mentum | 基節(きせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、最も基部の節。 胸部の腹側にある基節孔という穴に入っている。 |
metamorphosis | 変態(へんたい) | 昆虫の体の構造が変化すること。幼虫から成虫までの間に蛹の期間があると完全変態。蛹の期間がなければ不完全変態。ナナフシは不完全変態。 |
metanotum | 後胸背板(こうきょうはいばん) | 後胸の背面側の部分。有翅種では1対の後翅がある。 |
metasternum | 後胸腹板(こうきょうふくばん) | 後胸の腹部側の部分。ナナフシの場合は、第1腹部腹板と癒合している。 |
metathorax | 後胸(こうきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち一番腹側に近い節。後肢と後翅が付いている。第一腹部背板と癒合している。 |
mesonotum | 中胸背板(ちゅうきょうはいばん) | 中胸の背面の固くなった部分。有翅種では、前翅がある。 |
mesothorax | 中胸(ちゅうきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち真ん中の節。1対の中肢が付いている。有翅種では、前翅がある。気門の第1対はここから始まる。 |
micropyle | 卵門(らんもん) | 卵の卵膜にある細孔で、精子が通過する部分。精孔。 |
mid-gut | 中腸(ちゅうちょう) | ナナフシの消化管を3つに分けたときの2番目の部分。中腸の前端には、胃盲嚢と呼ばれる盲管が数個あり、その後、マルピーギ管まで真直ぐに続いている。 |
mid leg , middle leg | 中肢(ちゅうし) | 3対ある肢のうち真ん中の対。中胸にある1対の肢。 |
mimesis | 隠蔽的擬態(いんぺいてきぎたい) | 擬態の一種で、自分の身を隠すために周囲の環境に溶け込む型。 ナナフシは、葉に化けたり、枝に化けたり、擬態の名人と言われている。 |
mimicry、mimesis | 擬態(ぎたい) | ナナフシが、周辺の環境をまねること。木の葉や木の枝に化ける。 実際、野外でナナフシを探すとなかなか見つけることが難しい。 |
moiting fluid | 脱皮液 | 脱皮の過程で、真皮細胞が分泌する液のこと。旧クチクラを下部より消化していく。 |
mouth-appendage | 口肢(こうし) | 口部付属肢、口脚ともいう。ナナフシの口の周辺にある食物(葉)の摂取・咀嚼を行う付属肢のこと。ナナフシの場合、上唇・大顎・小顎・下唇・下咽頭(舌)からなる。 |
mouth chewing | 咀嚼口(そしゃくぐち) | ナナフシの口は、植物の葉などを噛み砕いて体内に取り入れるための口(咀嚼口)になっている。 |
mouth-parts | 口器(こうき) | ナナフシの口の周辺にある食物(葉)の摂取・咀嚼を行う器官の集まり。ナナフシの場合、上唇・大顎・小顎・下唇・下咽頭(舌)からなる。 |
【 N 】 | ||
neoteny | 幼形成熟(ようけいせいじゅく) | 幼虫の段階で発生が止まり、そのまま生殖器官が成熟し、繁殖すること。トビナナフシ類でのこれに似た観察例がある。 |
notum | 背板(はいばん) | ナナフシの体節を構成する部分で、背面の硬化した部分。胸部の背板は、notumと呼ばれ、3つの部分に分かれる。前胸背板(pronotum)・中胸背板(mesonotum)・後胸背板(metanotum)。 特に、ナナフシでは見られないが、中胸と後胸の背板は、板片に分割される場合もある。端背板(acrotergite)・前楯板(prescutum)・楯板(scutum)・小楯板(scutellum) |
nymphe | ニンフ(にんふ) 幼虫(ようちゅう) 若虫(わかむし) |
ナナフシなどの不完全変態の昆虫で、成虫になる一歩手前の熟令幼虫のこと。 ナナフシの幼生。完全変態のものを幼虫、不完全変態のものを若虫、と区別することが多いが、ナナフシの場合も普通に幼虫と呼んでいる。幼虫は、卵から孵化した後、数回の脱皮を行って成虫となる。 |
【 O 】 | ||
occipital suture | 後頭縫合線(こうとうほうごうせん) | 頭部の後にある薄い膜状の線。 |
oesophagus | 食道(しょくどう) | 消化管のうち、咽頭と胃との間の管状部。食物を送るだけで消化・吸収はない。 |
open blood-vascular system | 開放血管系(かいほうけっかんけい) | 昆虫の動脈枝と静脈枝との間が毛細血管によって連絡していないために、 心蔵からでた血液は、動脈を通って動脈枝へ進み、いったん組織中に出て組織間の空隙を流れ、呼吸器を経て囲心腔から心臓へ帰ってくる。このような血管系のこと。閉鎖血管系に対立する。 開放循環系(open circulatoire ouvert)とも言う。 |
operculum | 卵蓋(らんがい) | 卵の蓋の部分。孵化のとき、この卵蓋を開けて幼虫が出てくる。 |
operculum , lavina subgenitalis subgenitalplate |
下蓋板(かがいばん) 生殖下板(せいしょくかばん) |
ナナフシのメスの生殖口を覆うもの。(メスだけに使われる言葉) 産卵管を保護している下蓋板のこと。第8〜10腹部背板と第8腹部腹板(下蓋板)によって産卵管が保護されている。 |
osellus | 単眼(たんがん) | 明暗に反応する目だが、ナナフシの場合ほとんど退化している。 |
ovaries | 卵巣(らんそう) | 卵子を作るメスの生殖器官。 |
ovarioles | 卵巣小管(らんそうしょうかん) | 卵巣を作る細い管(卵巣管)。 |
oviduct | 輸卵管(ゆらんかん) | 卵を卵巣から体外へ導くための管。ナナフシの場合は、それぞれの卵巣小管が長い輸卵管に個々につながっている。 |
ovipositor | 産卵管(さんらんかん) | 産卵のための腹端に発達した管状の突起。 |
【 P 】 | ||
panoistic ovarioles | 無栄養型卵巣小管(むえいようがたらんそうしょうかん) | 卵の形成様式には、栄養細胞が分化せずに卵母細胞が単独で成長する無栄養室型と、栄養細胞が分化し、これらの細胞に伴われて卵母細胞が成長する栄養室型(多栄養室型と端栄養室型)の2つがある。ナナフシは、無栄養室型の卵巣小管。 |
paraglossae | 側舌(そくぜつ) | ナナフシの口器の一部である下唇は、下唇肢・中舌・側舌に分かれている。 |
paraproct | 肛側板(こうそくばん) | 肛門開口部の両側にある第11腹部節の残片(肛側板)。 |
parthenogenesis | 単為生殖(たんいせいしょく) | 雌が雄と関係なしに、単独で新個体を生ずる生殖法。 |
pedicellus | 梗節(こうせつ) | 触覚の第2節 |
pericardial cavity | 囲心腔(いしんこう) | 昆虫では、背腔(dorsal sinus)とも呼ぶ。ナナフシなどの開放血管系の昆虫の心臓を囲む体の背面の境界のはっきりしない空間。呼吸器官からきた血液がこの囲心腔に入って心門から心臓に入っていきます。 |
pericardial cell | 囲心細胞(いしん細胞) | 昆虫の囲心腔(背腔)内に索状に存在する。ナナフシでは、大動脈上に囲心腺として塊状に存在する。血液(体液)中の不要物質の代謝に関係する。 |
pericardial gland | 囲心腺(いしんせん) | ナナフシに見られる、囲心細胞が塊となって集まった内分泌腺の様な器官。 |
pericardium | 囲心嚢(いしんのう) | 心嚢ともいう。心臓の外側を包む上皮のこと。 |
peritrophic membrane | 囲食膜(いしょくまく) | ナナフシの中腸にある数層の膜状の内張のようなもの。この何層もの膜で、中腸の内壁を保護する。 |
phallus | 陰茎(いんけい) | オスの交尾器。交尾のときにオスからメスの交尾器に挿入され、精液を送るのに用いられる器官のこと。 |
pharate condition | ファレート状態 | ナナフシが脱皮や羽化を行うときに、たとえば外見上は6令幼虫であるが、上クチクラの下にはすでに成虫クチクラが出来上がっているような状態。 実際の脱皮が起こらなくてもアポリシス以降はこの状態にあるといえる。 |
pharynx | 咽頭(いんとう) | 口腔と食道との間の膨らんだ部分。 |
pleuron | 側板(そくばん) | 体節を構成する部分。側面の部分を構成し1対ある。付属肢はここから出ている。 |
pore canal | 孔管(こうかん) | 原表皮の層にある、真皮から直角に延びている螺旋状の小管のこと。真皮細胞からの分泌物がこの管によって表面に運ばれる。 |
praeopercular organ | 下蓋板前器(かがいばんぜんき) | ナナフシのメスの第7腹板にある器官。シラキトビナナフシでは、Y字状の小さな突起となっている。何に使われるのかは不明。これがない種類もあります。 |
prementum | 前基節(ぜんきせつ | 下脣を形作る中央部分で、1対の下脣髭を供えている部分。 |
pretarsus | 先ふ節(せんふせつ) | ふ節の一番末端の小節。ナナフシの場合、2本の爪(craw)と爪間盤(arolium)がある。 |
proctodaeal valve | 幽門弁(ゆうもんべん) | ナナフシの消化管のうち、中腸と後腸のあいだにある弁のこと。食べ物の流れを制御する弁。 |
procuticle | 原表皮(げんひょうひ) | 昆虫の皮膚は、表皮・真皮・基底膜からつくられている。このうち体の外側を覆っているのが表皮になる。この表皮は、外側の薄い外表皮と厚い原表皮に分かれる。さらに、原表皮は、キチンとタンパク質から出来ていて、外側の硬化する外原表皮(exocuticle)と内側の硬化しない内原表皮(endocuticle)にわかれる。 |
prognathous type | 前口式(ぜんこうしき) | ナナフシの口器は外に露出している外腮口式になる。この外腮口式は、更に下向式、前口式、後向式に分けられ、ナナフシの場合は前口式になる。 |
pronotum | 前胸背板(ぜんきょうはいばん) | 前胸の背面の固くなった部分。 |
prosternum | 前胸腹板(ぜんきょうふくばん) | 前胸の腹面の部分。 |
prothoracic gland | 前胸腺(ぜんきょうせん) | ナナフシの幼虫に見られる内分泌腺の一つで、脱皮ホルモンの一つであるエクジソンの生成・分泌を行う。 |
prothoracic gland hormone | 前胸腺ホルモン(ぜんきょうせんほるもん) 脱皮ホルモン(だっぴほるもん) |
エクジソン。前胸腺から分泌されるホルモンを活性化する物質。脱皮ごとに分泌され、脱皮や羽化などの変態を促す。(脱皮ホルモン・変態ホルモン) |
prothoracicotropic hormone | 前胸腺刺激ホルモン(ぜんきょうせんしげきほるもん) | 前胸腺を刺激して前胸腺ホルモンを分泌させるホルモンのこと。脳ホルモンともいう。PTTH。 |
prothorax | 前胸(ぜんきょう) | 胸部を構成する3つの節のうち一番頭部に近い節。1対の前肢が付いている。 |
proventriculus | 前胃(ぜんい) | 消化管である前腸を構成する固形の食べ物を砕く器官。 |
【 Q 】 | ||
【 R 】 | ||
Radial Veins | 径脈(けいみゃく)・R脈 | 記号:R 翅の先端中央まで達する翅脈。 2主支脈〜R1(第1径脈)・Rs(径分脈) |
receptaculum seminis | 受精嚢(じゅせいのう) | ナナフシ(雌)の生殖器官の一部で、交尾後に相手(雄)から得た精子を一時的に蓄える袋。 |
regenerating limb | 再生肢(さいせいし) | ナナフシでは、取れた肢が、脱皮のときに再生してくる。この再生してきた肢のことで、脱皮を経るたびに長くなってくる。しかし、ふ節は普通5節あるが、再生肢の場合は4節である。成長が進んだ場合や成虫の場合は、肢が取れても再生はしてこない。 |
repugnatorial gland | 防御腺(ぼうぎょせん) | ツダナナフシやPeruphasma schulteiなどは、襲われたり脅かされたりすると、前胸の肩部にある1対の腺から刺激臭のする白い防御液を噴射する。 噴射の方向は相手に合わせて変えることができる。この防御液を蓄えておいて噴出させる腺のこと。 |
【 S 】 | ||
salivary glands | 唾液腺(だえきせん) | 顎下腺(submandibular gland)。口腔または咽頭に開いている腺の総称。 |
scape | 柄節(えせつ) | 触角の第1節。 |
section | 節(せつ) | ナナフシは外骨格なので、体が20の節で構成されている。頭部が6節・胸部が3節・腹部が11節であるが、癒合したりしている。 |
segmentum medianum | 中節(ちゅうせつ) | 第1腹部背板のこと。 |
seminal vesicles | 貯精嚢(ちょせいのう) | オスのナナフシの内部生殖器の一つ。輸精管の途中が膨れて、精子を貯めておくことが出来る。 |
sensilla basiconica | 錐状感覚子(すいじょうかんかくし) | 体表にある感覚子の一種。クチクラ装置が円錐状の鋭い突起となったもの。触角や小顎鬚、肢に多く分布していて、味受容器・臭受容器・触受容器・温度受容器などとして働くものがある。 |
sperm | 精子(せいし) | 雄の配偶子のことで、精虫ともいう。 |
spermatophore | 精包(せいほう) | 雄が作った精子の入った白いカプセルのようなもの。 |
spine | 棘(とげ) | ナナフシの皮膚の細胞が外側に突出したもののうち、基部が動かないもの。基部が可動のものは距(きょ)という。 |
spiracle | 気門(きもん) | ナナフシの呼吸器系の一部で、空気が出入りする体表部での開口部。中胸に1対・後胸に1対・腹部に8対の計10対ある。 |
spuraanal plate , epiproct | 肛上板(こうじょうばん) | 第11腹部背板のこと。肛上板は、小片となって第10腹部背板下に隠れています。 |
sternum | 腹板(ふくばん) | 体節を構成する部分の一つで、腹面側の硬くなった部分。 |
stigma | 気門(きもん) | ナナフシの呼吸器系の一部で、空気が出入りする体表部での開口部。中胸に1対・後胸に1対・腹部に8対の計10対ある。 |
stinidaeal valve | 噴門弁(ふんもんべん) | ナナフシの消化管のうち、前腸と中腸のあいだにある弁のこと。 |
subadult | 終令(しゅうれい) | ナナフシの成長段階のうち成虫に成る前の段階のこと。種類によって違ったり、オスとメスによっても違う。シラキトビナナフシの場合6令段階(L6)。 |
Sub Coastal Vein | 亜前縁脈(あぜんえんみゃく) | 記号:Sc 前縁脈と平行している翅脈。 |
subgenital plate , operculum , lavina subgenitalis | 生殖下板(せいしょくかばん) 下蓋板(かがいばん) |
ナナフシのメスの生殖口を覆うもの。(メスだけに使われる言葉) 産卵管を保護している下蓋板のこと。第8〜10腹部背板と第8腹部腹板(下蓋板)によって産卵管が保護されている。 |
submentum | 亜基節(あきせつ) | ナナフシの肢の基部にある板状のもので、ナナフシの体の側面を覆う側板になっている。基節の基部。 |
suture | 縫合線(ほうごうせん) | 体壁各部の外から見える明瞭な区分を示している線。 |
【 T 】 | ||
tarsus | ふ節(ふせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、末端にある5つ目の節。 普通、ナナフシはふ節が5節から出来ているが、Timematodeaはふ節が3節しかない。 |
telson | 尾節(びせつ) | 一番最後の体節(第11節)で、肛門を包括している。ほとんど退化して肛門の周囲に肛片として残っている。 |
tergum | 背板(はいばん) | ナナフシの体節を構成する部分で、背面の硬化した部分。胸部の背板は、notumと呼ばれ、3つの部分に分かれる。前胸背板(pronotum)・中胸背板(mesonotum)・後胸背板(metanotum)。 特に、ナナフシでは見られないが、中胸と後胸の背板は、板片に分割される場合もある。端背板(acrotergite)・前楯板(prescutum)・楯板(scutum)・小楯板(scutellum) |
terminal filament | 端糸(たんし) | ナナフシの小卵管は原始的な無栄養室型で栄養室を持っていない。この小卵管は細長い管で、生殖室と端糸からできている。端糸は生殖室の先の細長い糸のようなもの。 |
testes | 精巣(せいそう) | ナナフシの雄の精子が作られる器官。 |
thelytoky | 雌性産生単為生殖(しせいさんせいたんいせいしょく) | 単為生殖の分け方の一つで、単為生殖の結果メス個体が生じる。ハチの仲間のように未受精卵からオスが生まれてくることを産雄単位生殖という。 |
thorax | 胸部(きょうぶ) | ナナフシの体の作りを区分する頭部・胸部・腹部の中間部分。各節に1対の肢と、中胸・後胸には、1対の翅がある。運動の中心部分。 |
tibia | 脛節(けいせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、基部から4つ目の節。 末端に突起(距:きょ)を持つものもいる。 |
trachea | 気管(きかん) | 気門から取り入れた空気を体中に運ぶための体中に張り巡らされた管。 |
tracheal system | 気管系(きかんけい) | ナナフシは、気管と気門から成る呼吸器官の系統。 |
tracheole | 気管小枝(きかんしょうし) | 毛細気管ともいう。ナナフシの気管の末端のきわめて細い部分のこと。 |
trochanter | 転節(てんせつ) | 肢を構成する5つの節のうち、根元から2つ目の節。 基節と腿節に挟まれた部分。 |
【 U 】 | ||
uncoating | 脱け殻(ぬけがら) | ナナフシの幼虫が成長する時に脱皮をするが、その時に脱ぎ捨てた皮膚のこと。ナナフシの場合は、脱皮後に脱け殻を食べてしまうことがほとんどである。脱殻(だっかく)。脱皮殻(だっぴから)。 |
【 V 】 | ||
valvulae inferiores | 下弁(かべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から最初の弁のこと。 |
valvulae internae | 中弁(ちゅうべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から真ん中の弁のこと。 |
valvulae superiores | 上弁(じょうべん) | 産卵弁は、頭部側から下弁・中弁・上弁の3対からなり、この産卵弁を通して卵が生み出される。頭部側から最後の弁のこと。 |
vasa deferentia | 両輸精管(りょうゆせいかん) | オスの内部生殖器、精巣で作られた精子が通る管のこと。1対の精巣からそれぞれ伸びていてそれが合わさり途中の部分が膨らんで貯精嚢を形成する。 |
vegetation food | 食植生(しょくしょくせい) | すべてのナナフシは植物の葉を食べる。特定の植物にこだわる種類と、幅を持っている多食性の種類がいる。 |
ventral abdomen board | 腹部腹板(ふくぶふくばん) | 腹部節の腹面側の硬くなった部分。 |
vertex | 頭頂(とうちょう) | 頭の上の部分。左右の複眼の間およびその後方の部分。 |
voltinism | 化性(かせい) | 年に何回の世代交代を繰り返すかという性質。 |
【 W 】 | ||
wing | 翅(はね) | 中胸と後胸に各一対ある飛ぶための器官。ナナフシの場合は、翅があっても飛ぶことが出来ないものもいる。胸節の背板の側板(側背板:paranotum)が伸びて扁平になったもの。中胸には前翅が、後胸には後翅がついている。翅の基部から先端に向かって大小の管状の隆起が走り翅脈を作っている。翅は幼虫期には、背面上皮の嚢状突起物(成虫原基)として現れ、それが脱皮を通して発達し、羽化のときに完成する。成虫原基は、ナナフシ(不完全変態昆虫)では、体表に突出している。 |
wingless species | 無翅種(むししゅ) | 成虫になっても翅のないナナフシの種類。 |
wing vein | 翅脈(しみゃく) | 上下2枚の膜が合わさって平面状になった翅に見られる、気管や神経を分布させるための中空の条のこと。ナナフシの翅に見られる筋のこと。縦脈と横脈があり、種によって分布の形式が決まっていて翅脈相(venation)と呼ばれる。翅脈は、機械的に翅を支えるだけでなく、翅全体の代謝も行う。 |
wing bud | 翅芽(しが) | 有翅種のナナフシの幼虫で見られる翅の発生初期の段階のもの。中胸背面と後胸背面の後方に見られ、脱皮を繰り返すことで大きくなっていき、羽化すると成虫の翅になる。 |
【 X 】 | ||
【 Y 】 | ||
【 Z 】 | ||
これからも新しい用語を追加していきます |
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