今年、初めてシラキトビナナフシを採集しました。いろいろ調べてみたことを書いてみました。
名前について
日本には、ナナフシ科のMicadina属(トビナナフシ)には、3種類いるようです。
ニホントビナナフシ Micadina phluctaenoides Rehn
ヤスマツトビナナフシ Micadina yasumatsui Shiraki
シラキトビナナフシ Micadina sp.
私は、ニホントビナナフシとヤスマツトビナナフシは写真でしか見たことがありません。シラキトビナナフシは、実際に採集・飼育しています。
この中で、シラキトビナナフシには、和名があるのに、学名がまだつけられていないそうです。なぜなのかはわかりません。広く認知されているのに、不思議です。ヤスマツトビナナフシの学名にShirakiとあることから考えると、シラキさんという人が名前を付けたのかもしれません?
生息地について
シラキトビナナフシは、多くのHPによると、ブナやミズナラ帯の山地に見られるとあります。
私が、シラキトビナナフシを見つけた場所は、函館市の北側の丘陵地で、標高約130m位の場所です。
あたりには、ミズナラを中心に、コナラなどが見られます。普通の落葉広葉樹を中心にした雑木林です。
食べ物について
シラキトビナナフシがついていた木は、私が見た範囲では、ミズナラの木ばかりでした。笹や下草にはたくさんついていましたが、激しく食べた後が残っているのは、ミズナラの木が中心です。
ミズナラの葉のほかには、コナラの葉・クリの葉・カシワの葉などを食べます。
(シラキトビナナフシのエサ)
生態について
シラキトビナナフシは、メスのみで卵を産む、単為生殖という方法で子孫を残しているようです。
オスのシラキトビナナフシは、発見された例がないようです。というより、オスがいるのか、いないのか、詳しいことは、まだわかっていないようです。もし、オスが発見されたらすごいかもしれません。
卵の産み方は、バラマキ産卵です。木の葉や、下草などの上で、糞をするのと同じように、卵を産み落としていきます。野外で、シラキトビナナフシが止まっていた下草の葉っぱの縁に、卵が引っかかっているのをみました。飼育ケースの中では、生んだ卵をそのまま下に落としており、ケースの底にたまっています。
脱皮を繰り返して成虫になると、すぐに卵を産み始めるようです。卵は、150個前後産むようで、8月下旬頃から1ヵ月前後生み続けるようです。
我家の8月下旬に採集してきたシラキトビナナフシは、採集した日に卵を産んでいて、9月下旬の今でも、まだ卵を産んでいます。
(シラキトビナナフシの卵)
(2007年9月27日記)