ナナフシの森

-シラキトビナナフシの窓-

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シラキトビナナフシの観察 食事

シラキトビナナフシのエサの食べ方

シラキトビナナフシはどのようにエサを食べるのか?

 シラキトビナナフシは、カシワ・ミズナラ・コナラ・クリなどの葉を食べます。シラキトビナナフシは、葉の周辺から食べ始めていきます。完全に食べつくされた場合は、葉の芯だけ残した状態になります。多くの葉は、一部が食べられた状態で残り、光合成などに大きな影響がでるようなことはありません。

自然状態のミズナラ(左)
食べつくされているミズナラの葉
飼育下のミズナラ(右)
飼育下で食べつくされたミズナラの葉

 シラキトビナナフシは、エサを食べる時、首をうまく動かしながら食べていきます。首は、上下・左右かなり自由に動くようです。最初に首を上に上げて葉にかじりつき、あごの方向へ円を描くように食べ進んで行きます。この動作を結構早いスピードで繰り返し行って食べ進みます。

エサの食べ方1
エサの食べ方1
エサの食べ方2
エサの食べ方2
エサの食べ方3
エサの食べ方3
エサの食べ方4
エサの食べ方4

 首をたて方向だけでなく、横にもこのくらいの角度で曲げて食べています。

首を横に曲げて食べる様子
首を横に曲げて食べる様子

 クリの葉を食べる様子 食べた後の葉の切り口が良く分かります(下の画像は上の拡大)

食べる姿の横顔
食べる姿の横顔

 (2007年9月30日 記載)


シラキトビナナフシのエサ

シラキトビナナフシは何を食べるのか?

 シラキトビナナフシのエサは、インターネットで調べてみたところ、ブナ・カシワ・ミズナラ・コナラ・クリなどがあげられています。この中で、北海道の道南ですと、ブナ・カシワ・ミズナラ・コナラ・クリが自生しています。 しかし、ブナ・カシワは、道南くらいまでが限界のようです。それ以外の北海道となるとミズナラ・コナラ・クリぐらいしかエサがないことになります。

 北海道でのシラキトビナナフシの発見情報によりますと、道央圏が北限・東限になっているようです。これは、シラキトビナナフシの棲家が、ブナ・ミズナラ帯などであることからくるのかもしれません。

 本州以南ですとブナ科の木はかなりの種類になります。Gooの樹木図鑑によりますと、次のようなものがあるようです。本州の飼育記録などを見ると、ブナ・カシワ・ミズナラ・コナラ・クリに加えて、クヌギ・アラカシなども食するようです。

ブナ科

ブナ属: ブナ・イヌブナ
コナラ属: カシワミズナラコナラ・ウバメガシ・クヌギ・アベマキ・ナラガシワ
クリ属: クリ
アカガシ属: イチイガシ・アカガシ・ツクバネガシ・アラガシ・シラカシ・ウラジロガシ
シイノキ属: ツブラシイ・スダイジ
マテバシイ属: マラバシイ・シリブカガシ

北海道で手に入る、シラキトビナナフシが食べるエサの検証

ミズナラの葉 100%食べます

 我家のシラキトビナナフシは、ミズナラの林に住んでいました。いつも観察しているミズナラの林では、シラキトビナナフシに食べつくされたミズナラの葉が見られます。  飼育ケースの中でも、ミズナラの葉を食べながら、産卵を繰り返し、1ヵ月が経過しています。ミズナラの葉は、100%飼育用のエサになります。

食べられたミズナラの葉
シラキトビナナフシに食べられたミズナラの葉
食べつくされているミズナラの葉
食べつくされているミズナラの葉

 (2007年9月29日 記載)


クリの葉 100%食べます

 いつも観察している林のクリの木では、シラキトビナナフシを確認していませんし、クリの葉に食痕も確認していません。しかし、十五夜の日に供えたクリの木を、飼育中のケースに入れてみたところ、次の日にはかなりの食痕が見られました。実際に、目の前でクリの葉を食べている様子も見ることができました。
 この時、飼育ケースの中には、ミズナラの葉・コナラの葉・クリの葉の3種類を入れていたのですが、コナラの葉は、まったく食べられていません。クリの葉は、新鮮だったからでしょうか。

シラキトビナナフシの食べたクリの葉
シラキトビナナフシの食べたクリの葉
クリの葉を食べている最中
クリの葉を食べている最中のシラキトビナナフシ

 (2007年9月29日 記載)


コナラの葉 100%食べます

 コナラの葉は、我家の飼育ケースの中では、人気がなく、食べていませんが、ミズナラ林の中にあるコナラの葉には、シラキトビナナフシの食痕らしきものは見られます。
 2007年9月29日にコナラの樹上でシラキトビナナフシを発見しました。そのコナラの葉には、食痕が見られました。

コナラの葉の食痕
コナラの葉の食痕
コナラの葉の食痕とシラキ
コナラの葉の食痕とシラキトビナナフシ

 (2007年9月29日 記載)



 2008年の飼育では、コナラの葉は良く食べられていました。野外のコナラの木からシラキトビナナフシは何頭も採集しています。
 2009年4月のシラキトビナナフシの孵化後の幼虫は、与えたコナラの若葉を、非常に良く食べていました。

コナラの若葉を食べるシラキの幼虫
コナラの若葉を食べるシラキの幼虫
コナラの若葉
コナラの若葉

 (2009年4月28日 追記)


ブナの葉 100%食べます

 2009年4月、孵化してきたシラキトビナナフシの幼虫にブナの若葉を与えると、非常に良く食べます。

ブナの若葉を食べるシラキ
ブナの若葉を食べるシラキトビナナフシ
ブナの若葉
ブナの若葉

 (2009年4月28日 記載)



 2009年4月下旬、完全に開いたブナの若葉(上の右の画像)を与えたところ、2令幼虫は食べていましたが、孵化直後の初令幼虫は、食べるのに苦労しているようでした。かじった後は見られるのですが、4・5日たつと死亡していきました。開いたブナの葉は、初令幼虫には堅いのかもしれません。

 (2009年5月4日 追記)


カシワの葉 100%食べます

 北海道の方のホームページを見ると、ミズナラとカシワの葉を与えたら食べたということが書いてありましたので食べるとは思います。
 カシワについては、食べるところを直接見ていないので今後確認したいと思います。
 2007年10月6日にカシワの葉を採ってきて、我家のシラキトビナナフシに与えてみました。一口食べた程度で、ほとんど食べようとせず人気はありませんでした。時期が遅く、カシワの葉が硬くなっていたためなのかもしれません。
 野外のカシワの葉には、シラキトビナナフシと同じような食痕が多数見られたことから、食べているとは思います。

カシワの葉
カシワの葉

 (2007年9月29日 記載)



 2019年7月14日、北斗市西部でカシワの葉についているシラキトビナナフシを5頭発見、カシワの葉を食べている所を観察することが出来ました。野外でカシワの葉を食べているのは初めて見ましたし、葉に食痕がついているのも初めての確認です。
2019年7月27日、北斗市当別でカシワの木からシラキトビナナフシを採集、別のカシワの木からももう1頭を採集出来ました。

カシワの葉とシラキトビナナフシ
カシワの葉とシラキトビナナフシ
カシワの葉とシラキトビナナフシ
カシワの葉とシラキトビナナフシ

 (2019年8月23日 追記)


シラキトビナナフシの代用食

シラキトビナナフシに代用食はあるのか?

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